2017年2月2日木曜日

日本とキリスト教

遠藤周作の「沈黙」が映画化したようである。
この作品は私が高校時代に父が与えてくれた小説で何度も読んだ記憶がある。
簡単な内容としては 某宣教師の師匠が日本で棄教したとの噂を聴く→そんなはずないし→日本に行く→捕まる→棄教
これだけだと「ブルータスお前もか」と言いたくなるかもしれないが、
読んでみると面白いと思う。

秀吉~徳川時代にキリスト教が弾圧された理由については、
ざっくりわかってはいるが、ソースは?と言われたら「うっ」となるのでメモ
しばやんの日々から大雑把にまとめる。

(ルイス・フロイス「日本史4」豊臣秀吉篇Ⅰ)

九州平定2年後にイエズス会の日本準管区長のガスパル・コエリョに対し使いを出す
1.宗徒を作るために扇動するな。九州に留まるように。それが嫌ならマカオに帰れ。
2.馬・牛は人々にとって大事な助力であるから食うな
3.他国へ奴隷として売られた日本人を連れ戻せ。少なくともポルトガル人が買った
 人は放免しろ。金は払う。

 ↓
コエリョの返答
奴隷売買は九州だけでおこっていることで、我らも廃止させようと努力しているのに取り締まらない日本側に問題がある。

秀吉の返答
キリシタンは、どんな理由で神や仏の寺院破壊し、その像を焼き、その他これに類した冒涜を働くのか」

コエリョの返答
「キリシタンは、我々の教えで真理(キリスト教しか救いがない)に気づき
 現行の神や仏は救済も現世の利益もない為、自分の意思で壊した」

秀吉の回答
「全員20日以内に日本から出て行け」
 →伴天連追放令発布

大村由己(ゆうこ)(当時の秀吉の側近)「九州御動座記」
伴天連追放令を出した理由
 日本人を数百男女によらず、黒船へ買取、手足に鎖を付け、船底へ追入れ、地獄の呵責にもすぐれ、…今世より畜生道の有様、目前之様に相聞候

では建前と実態・需要と供給ではどうだったか
>我らも廃止させようと努力している

実態:日本イエズス会からの要請を受けてポルトガル国王は何度も「日本人奴隷取引禁止令」を出しているが、東南アジアに暮らすポルトガル人は、国王の禁令はわれ われに致命的な打撃を与えると抗議し、奴隷を買ったのは善意の契約であり、正義にも神の掟にも人界の法則にも違反しないと主張し、この勅令は無視されたそうだ。
アルメイダは大友宗麟に医薬品を与え、大分に病院を作ったイエズス会の宣教師だが、奴隷貿易を仲介し、日本に火薬を売り込み、海外に日本女性を売り込んだ

>取り締まらない日本
実際に当時人身売買は国内でも多く行われており、身代金の買い戻し以外にも
「バチカンにある過去の日本の記録には、アフリカ人奴隷に掘らせたチリの硝石1樽で日本人女性が50人買える」等硝石との取引に使われていたようだ。

「伴天連追放令」の国内向けの条文の中には
①人の売り買いはすべて停止せよ。
②去る天正16年以降の人の売買は破棄する
③だから買い取った人は元へ返せ
④以後は、人の売買はともに違法だ
という趣旨の命令を、相次いで全国に秀吉が出している。

主なソースはフロイスの本の為、海外にもわかりやすいかも

ちょっと長くなったが、最後によく話題にあがるザビエル論破ネタを
調査してくれている人がいたのでリンク貼っておく。
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-3805.html

0 件のコメント:

コメントを投稿